【大阪・北新地】エンメエッセ|谷上シェフが描く“近畿の旬”、五感で味わうイノベーティブ・イタリアン

エンメエッセの近海イカと雲丹にキャビアを添えた前菜 北新地グルメ

大江橋駅から徒歩圏内、北新地に佇む「エンメエッセ(Emme Esse)」。豊中・千里の人気イタリアン「ロベルトカレラ」の谷上卓玖哉シェフが手がけ、近畿の旬と日本文化を独自の感性で表現するコース料理を味わえる一軒です。

近畿の旬と日本文化を一皿に「エンメエッセ」

大阪・北新地のイタリアン エンメエッセの入口

2023年春、北新地にオープンした「エンメエッセ」。手がけるのは、豊中・千里のイタリアン「ロベルトカレラ」で長年腕を振るってきた谷上卓玖哉シェフです。料理専門誌でも、近畿の食材と二十四節気を意識した独自のイタリアンをテーマにする店として紹介されています。

コンセプトは「お客様方の心をお繋ぎしたい」。近畿とその周辺地域から届く旬の食材を中心に、日本の季節や文化、言葉なども取り入れながら、イタリア料理をベースにした独創的な一皿へと仕立てています。

店名の「Emme Esse」にも、谷上シェフの大切な思いが込められています。「Emme」はイタリア語のM、「Esse」はSを表し、家族と愛犬の頭文字から命名。家族や料理人仲間が集まった際にプライベートで作っていた料理を、客から「食べてみたい」と言われたことが店を始めるきっかけになったといいます。

「ロベルトカレラ」谷上卓玖哉シェフがたどり着いた料理

エンメエッセで調理する谷上シェフ
※公式写真より引用

エンメエッセの料理をより深く知るうえで欠かせないのが、オーナーシェフ・谷上卓玖哉氏の存在です。

石川県出身の谷上シェフは、イタリア料理店やホテルなどで経験を重ねた後に独立。本人のプロフィールでは、石川県の高級店、大阪の人気イタリア料理店、ザ・リッツ・カールトン大阪などで修業した経歴が紹介されています。

その後、千里中央で自身の店を構え、北摂の食通から支持を集める「ロベルトカレラ」へ。イタリアでの研修時、現地で「ロベルト」というニックネームを付けてもらったことが店名の由来だそうです。

長年培ってきたイタリア料理の技術を土台としながら、日本の旬や文化をさらに自由な発想で表現する。その新たな舞台として2023年に誕生したのが「エンメエッセ」です。料理専門誌「あまから手帖」でも、同店を「近畿」と「二十四節気」をテーマに独自のイタリアンを作り出す店として紹介しています。

食材そのものと向き合ってきた谷上シェフ

大阪・北新地のエンメエッセのカウンター席
※公式写真より引用

谷上シェフの料理で印象的なのが、イタリア料理というジャンルだけに料理を閉じ込めないことです。

エンメエッセでは近畿の魚介や肉、野菜といった身近な食材に目を向け、日本の出汁や調味料なども柔軟に取り入れています。実際、これまでの料理にも鰹節や山田錦、葉わさびなどが登場しており、イタリア料理の技術と日本の食材が自然に共存しています。

華やかさだけを追うのではなく、旬の素材をどのように組み合わせ、どのような一皿として完成させるのか。今回いただいた料理からも、長年イタリア料理と向き合ってきた谷上シェフならではの自由な発想が感じられました。

おまかせコース15,000円|日本の旬を五感で味わう

エンメエッセの独創的なコース装飾

今回いただいたのは「おまかせコース」15,000円(税込・サービス料別)。近畿を中心とした旬の素材を取り入れ、魚介から肉、自家製パスタ、デザートまで展開する全9品のコースです。

季節によって内容が変わるため、その時にしか出会えない一皿を楽しめるのも魅力。今回は水茄子や冬瓜、鮑など、日本の夏を感じさせる食材も随所に登場しました。

口の中でとろける超薄切り生ハムと水茄子

エンメエッセの超薄切り生ハムを使った前菜

スタートから印象に残ったのが、フランス・ラボリ社の無添加生ハム。ベルケル社製のスライサーを使い、向こう側が透けそうなほど薄くスライスして提供されます。

口に入れると、超薄切りならではの繊細な口当たり。そこへ水茄子のみずみずしさが重なり、生ハムの旨みを軽やかに楽しめます。口コミでも、この超薄切り生ハムの口どけや味わいを高く評価する声が多く見られ、エンメエッセを象徴する一皿のひとつといえそうです。

近海のイカとカリフラワー、雲丹とキャビアを重ねて

エンメエッセの近海イカと雲丹にキャビアを添えた前菜

続いては、近海のイカとカリフラワーのペーストに雲丹を添えた前菜。さらに今回は、+4,300円で最高級オオチョウザメ種のキャビアを加えました。

イカの旨みに、なめらかなカリフラワー、濃厚な雲丹、キャビアが重なり、海の旨みが口いっぱいに広がります。食材そのものは豪華でありながら、一つの素材だけが突出するのではなく、それぞれの個性を重ねて楽しめる一皿でした。

冬瓜となめこの冷製タリオリーニ、自家製ボッタルガを添えて

エンメエッセの冷製タリオリーニ 自家製ボッタルガがけ

冷製タリオリーニには、冬瓜となめこを使ったソースを合わせ、自家製ボッタルガ(からすみ)をたっぷりと。イタリアのパスタに日本の夏を感じる食材を重ねた、エンメエッセらしい一皿です。

ボッタルガの豊かな香りがアクセントとなり、冷製ならではの軽やかな食べ心地も印象的。イタリア料理の技法と日本の旬が無理なく一皿の中で溶け合い、パスタの新しい表情を楽しめました。

近海魚介のスコッターレと季節の野菜

エンメエッセのおまかせコースの魚料理

魚料理には、近海の魚介を使ったスコッターレが登場。季節の野菜を使ったソースと、魚介の旨みを凝縮した「プロデット」を合わせています。

近畿やその周辺から届く食材を積極的に取り入れるエンメエッセだからこそ、魚料理にも季節感がしっかり。素材を生かしながらソースによって奥行きを持たせる、コース中盤を彩る一皿です。

サカエヤが手当てした黒毛和牛のビステッカ

エンメエッセの黒毛和牛のビステッカ

メインは、滋賀県の精肉店「サカエヤ」が手当てした黒毛和牛のビステッカ。肉そのものの力強さを楽しめるよう仕上げられた、存在感のあるメイン料理です。

エンメエッセで使用する黒毛和牛

実際にいただくと、噛むほどに肉の旨みがじわじわと広がり、その余韻まで印象的。コースの中で魚介や野菜を重ねてきた後だからこそ、黒毛和牛の深い味わいがより際立ちます。

自家製タリアテッレ 鮑のジェノベーゼ

エンメエッセの鮑のジェノベーゼ 自家製タリアテッレ

コース後半には、自家製タリアテッレに鮑のジェノベーゼを合わせた一皿が登場します。

自家製パスタにジェノベーゼがしっかりと絡み、そこへ鮑という贅沢な素材を組み合わせることで、豊かな風味と食感を楽しめます。谷上シェフが長年向き合ってきたイタリア料理の魅力を、改めて感じさせてくれるパスタでした。

パスタは40・60・80gから。最後まで“自分のお腹”に合わせる

エンメエッセで作る自家製パスタ

料理だけでなく、食べる人の満足度を考えたサービスにもエンメエッセならではの工夫があります。

コースのパスタは、小40g・中60g・大80gから好みの量を選択可能。コース料理では終盤になるほど「美味しいけれど、お腹がいっぱい」ということもありますが、その日の食欲に合わせて調整できるのはうれしいポイントです。

さらにユニークなのが、デザートへ進む前にお腹の具合を確認し、まだ食べられそうなら生ハムや追加のパスタなどを注文できること。決められたコースを一律に提供するのではなく、一人ひとりが「ちょうど満足できる量」で食事を終えられるよう考えられています。

天満切子から人間国宝の作品まで、料理を彩る器

エンメエッセのテーブルを彩る天満切子のグラス
※公式写真より引用

料理を五感で楽しませてくれるのは、食材や盛り付けだけではありません。エンメエッセでは、料理や飲み物を彩る器にもこだわりが感じられます。

天満切子の美しいグラスをはじめ、料理には人間国宝・井上萬二氏の作品なども使用。料理が運ばれてきた瞬間、まず器と盛り付けを目で楽しみ、その後に香りや味わいへと移っていきます。

近畿の旬を料理で表現し、日本の文化や工芸を器からも感じてもらう。料理だけを切り取るのではなく、テーブルの上に広がる景色そのものを楽しめるのも、エンメエッセならではの魅力です。

「ジャンボジェット機以前の憧れ」を表現したデザート

スープオリエンタル ~ジャンボジェット機以前の憧れ~

エンメエッセのおまかせコースのデザート

コースの最後まで、エンメエッセらしい独創性は続きます。

デザートとして登場したのは「スープオリエンタル ~ジャンボジェット機以前の憧れ~」。料理名からして想像力をかき立てられ、日本の旬や文化、言葉まで料理へ落とし込む同店の世界観を感じさせます。

単に甘いものを食べてコースを締めるのではなく、最後の一皿にも物語を持たせる。その独創的な発想まで含め、食後にも余韻を残してくれるデザートでした。

モダンで落ち着いた北新地の隠れ家

エンメエッセの落ち着いた個室

北新地のビル2階にある店内は、モダンでシックなインテリアに温かな照明を合わせた落ち着いた空間。カウンター席では厨房との距離が近く、料理が仕上がっていくライブ感も楽しめます。来店者の口コミでも、スタッフとの距離の近さや厨房を眺められる楽しさが語られています。

華美になりすぎず、料理と会話に集中できる雰囲気も魅力。特別な日の記念日ディナーや夫婦での食事、大切な人を招く会食やビジネスでの接待など、ゆっくり食事を楽しみたい日に選びたい一軒です。

編集部コメント

「エンメエッセ」で印象的だったのは、高級食材を使った華やかなイタリアンというだけではなく、一皿ごとに日本の旬や文化を感じられたことです。

超薄切り生ハムと水茄子に始まり、冬瓜となめこを合わせた冷製タリオリーニ、サカエヤが手当てした黒毛和牛、自家製パスタと鮑まで、料理のジャンルを越えながらコース全体に谷上シェフならではの感性が感じられました。

料理だけでなく、量を自分で選べるパスタや、食欲に合わせた追加料理、天満切子をはじめとする器まで、一人ひとりに食事そのものを楽しんでもらおうという工夫も印象的。北新地で、料理を五感でじっくり味わいたい日に訪れたい一軒です。

【取材・文:フードアナリストあい】

店舗情報

店舗名:エンメエッセ(Emme Esse)
住所:大阪府大阪市北区堂島1-2-15 浜村サンプラザビル2F
アクセス:京阪中之島線 大江橋駅、JR東西線 北新地駅から徒歩圏内
ジャンル:イタリアン、イノベーティブ
おまかせコース:15,000円(税込)
予約:予約制
定休日:日曜日
公式Instagram:@emmeesse.robertocarrera

※現在、店舗情報には15,000円のおまかせコースのほか、20時以降はアラカルトも用意されている旨が掲載されています。営業形態やコース内容は変更される場合があるため、予約時に最新情報をご確認ください。

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